参考になるところが多く、とても有益だと思いますので、これまでの連載分を50ずつまとめて、このブログに掲載します。まず、1回~50回です。
<ツイートでレッスン>1回~50回・・・福田進一氏による
ツイートでレッスン 〈1〉 爪が悪いので良い音が出ないと悩んでいるギタリストが多いが、音の良し悪しの90%はタッチで決まるのだよ。 一番大事なのは、弦に触ってから、こんな音が出したいなと思ってから、弾くこと。
新シリーズとして「ツイートでレッスン」を始めました。思いのほか好評なので続ける事にします。質問もありです。が、数日前にあった「プロになれますか?」的なのは御断り。端的に短くお願いします。基本は毎日、寝る前にアップします。ツイートの結果に責任は持ちません。楽しいツイートにします。
ツイートでレッスン〈略してTLその2〉右指は基本タッチは付け根から動かす。真ん中の第2関節を曲げてタッチしない。いつも付け根から。先の第1関節を反らして弾くと一瞬甘い良い音がすると思うが、それは錯覚。その音は遠くまで届かない。
ツイートでレッスン(3)タッチの角度はいつも斜め。私の中指で示すが、写真左はダメ。右の様に、いつも弦に触る一点(右端)があり、そこは爪と肉の部分が同時に当たる。たえずここでキャッチして思い描いた音を作るのが奏法の基本だ。
補足)黒い線が弦だと思ってね。右端でいつも弦を捉えて左方向に滑っていくイメージで…
ツイートでレッスン(4)昨日の続き。右の一点でいつもタッチ。弦を黒く塗って指を滑らせてみると軌跡がわかる。と、僕の場合はこうなる。いつもこの黒い線で弦を触り、出したい音をイメージしてから弾く。弦は爪の側面を加速度的にすり抜けるのだ。
ツイートでレッスン(5) まだまだ続くタッチの話。アポヤンドは次の弦に寄りかかる奏法という考え方は捨てるべき。次の弦に触れたら、次の弦を感じたら、即!元の位置に指を戻す気持ちで。アルアイレも同様、撥(はじ)いたら即!脱力していた最初の位置に戻しなさい。
ツイートでレッスン(6)弾弦は、掌に見えないボールがあるようにイメージし、フワリと力を抜いた位置から開始。i / m で交互に弾く場合、i を弾いた時には m が戻っており、次に m を弾いた瞬間に i が元の位置に戻っているのが動きの基本。i / a、m / a も同様。
ツイートでレッスン(7)高音弦を弾く時、必ず低音弦に親指をのせておきなさい。手の大きな人なら⑥、小さな人なら④の上に、サイズに合わせて。これには2つ大きな目的がある。1つはi / m / a 各指のタッチの安定。もう1つは将来的に親指による消音(ペダル)の技術を獲得するため。
ツイートでレッスン(8) i / m 、m / a、隣り合わせの指で交互に弾く時は、先端を揃えて、軽く擦り合わせるような動き。指の付け根から動かすが、決してバタバタしてはいけない。エネルギーが、全て爪、肉、弦の交わる、例の一箇所に集中することで、パワーと繊細さを両立させるのだ。
ツイートでレッスン(9)タッチの基本をまとめよう。弦に斜めに接触し(赤)弦の抵抗を感じ、出したい音をイメージし(黄)素早く撥弦して元の位置に戻る(青)赤の角度は爪や指先の形で変化するが、運動の基本はアポヤンドもアルアイレも関係ない。
ツイートでレッスン(10)弦に寄りかからないアルアイレ奏法(左)では、接触している時間(黄)を長くし、斜め方向に弾く。寄りかかるアポヤンドは圧力が強いので垂直に近い斜め。この2つの奏法の切り替えには「触覚」と「手首の脱力」が重要!
TL(11)人差し指(i)、中指(m)交互の運動が今ひとつ理解出来ない人は、一度弦を挟んで弾いてみると良い。 ロクな音は出ないが、感じは掴めるはず。交互に挟んだ指で弾いてみよう。脱力せずに長時間繰り返すと指を痛めるので、やり過ぎ注意
TL(11)補筆 あくまで指の運動を理解する方法。この様に弾けと言っているのではない。実際は各指が小さな円運動を描いて元に戻るので、指の衝突音は出ない。交互に動く事を認識するための手段として覚えて欲しい。
ツイートでレッスン(12) 和音を弾く時のタッチ。例えば①②を i / m で和音を弾く時、両指先はしっかり重ね合せること。2本の指を1本に束ねてコントロールする。 弾弦方向は単音アルアイレの時と同じ。
ツイートでレッスン(13) ①②③弦の和音も同様、i / m / a はしっかり重ね合せ、1本の指として扱う。分離が良いからと左の様に各指を離して弾く人がいるがとんでもない。分離が良いのとバラバラな和音は違う! 明日は休みます…
TL(13)補足 和音の時も、(4)で説明したポイント(爪、指頭、弦の交わる点)でいつも接触し、準備が出来てから撥音すること。
ツイートでレッスン(14) タッチが弱いと指摘されたら、指のエネルギーが全て弦にかかっているか確かめると良い。メンディングテープを使って2つの関節を軽く固定し、指先に弦の抵抗を感じ弾いたら(黄)すぐに反動で軽い円運動で戻す(赤)
ツイートでレッスン(15) (11)や(14)のようなタッチの確認をする方法は、あくまで確認であって、練習方法ではない。やり過ぎに注意。 リラックスした状態から指先のみに感覚が集中し、素早く無駄のない運動で弾弦したら、すぐに弛緩。イメージした音かどうか、判断してから次の音を弾弦。
ツイートでレッスン(16)右親指は付け根第3関節(青)から動かす。多くの人が第2関節(黄)を付け根と勘違いしている。第1関節(赤)から動かすのは厳禁。大きな筋肉を使わないとハーモニーの支えとなる重量感のあるしっかりした低音が作れない
12月22日
12月22日
12月23日
ツイートでレッスン(18)右親指の動きも基本は回転運動(赤)。この時、付け根の関節から弦との接点まで、ストレートを保つ(青)。指のエネルギーが外に逃げないようにする。先の関節が反ったり、曲がったりしない様に!
12月24日
ツイートでレッスン(19)右親指は表現力豊かな演奏を生み出す源だ。基本となる明快な輪郭のある音から、柔らかくシックな音まで、様々な音の表情を作るためにはタッチもバラエティーに富んだものにしなければならない。が、先ずは次の弦に寄りかかる(アポヤンド奏法)がスムーズに出来るように。
12月24日
ツイートでレッスン(20)初歩的な質問。爪の使わない部分(黄の部分)は削りおとして良いのか? もちろん演奏に不要なので、カットしても良い。ただし、僕の経験から言うと爪の耐久力がなくなり、強く弾くと欠けたりする事が多くなるようだ。
12月25日
ツイートでレッスン(21)左指の基本は右指と同じ、アーチ状を出来る限り保つこと。クラシックではジャズ奏者のように第1関節を反らして押さえる技術は御法度。たまの例外はあるが、反らして押さえて良いのは人差し指(1)で小さなバレー(セーハ)をする時のみ。今夜はパーティーなので今、投稿。
12月25日
ツイートでレッスン(22)出来る限りフレットの近くを押さえる。押さえたときの指の位置に注意する。掌から見て指頭の右端でフレットを感じること。一度、試しにフレットの真上を押さえてみよう。音が出ないが、徐々にずらしていくと0.数ミリ程左に最低の握力で良い音の出るスポットがあるはず。
12月27日
ツイートでレッスン(23)左手を脱力して、そっとギターのネックを差し込んでみる。中指からの中心線を意識し、弦と指の作る角度に注目。内側の掌とネックの角度と相似なのがわかる。この角度を崩さないように弾けば良いわけだよね。理想を言えば!
ツイートでレッスン(24)先に青線で示した指の中心軸がブレないように⑥弦第1フレットから人差し指1、中指2、薬指3、小指4をセットする。腕の重みが各指先に感じられたら合格。第1フレットのポジションが遠く感じる人は、第5辺りで試そう。
12月28日
12月28日
ツイートでレッスン(25) 先に進む前に… 弦を押さえるという行為=親指とそれ以外の指でネックと弦を挟む、という考えを捨てなさい。しっかりとした指先の一点に、左腕の重みがかかることによって、スムーズなポジション移動、俊敏で柔軟なテクニックが生まれる。
12月28日
ツイートでレッスン(26) 弦を押さえる時、アーチ状のしっかりとした支えがあれば腕の重み(青)を指先の押さえるエネルギー(赤)に換える事が出来る。この時、裏の親指の位置が下過ぎない。親指と人差し指の間に少なくとも指二本分の空間を
12月29日
ツイートでレッスン(27) 私の親指の位置(黄)を補足した。腕の重み(青)が指先に伝わり、弦を押さえる力(赤)を生み出す。親指は、そのエネルギーを支える為に使う。基本的には親指の位置はいつも同じ。ネックの中心線よりやや上に。
12月29日
12月29日
ツイートでレッスン(28) 高音弦を弾く時は、強靱なフックで指板にぶら下がってる状態をイメージする(上) 親指の位置は変えない。 腕の重み(青)を後ろ方向に感じ、手首を真っ直ぐにして引く。 指板との距離(黄)が開き過ぎないこと。
12月30日
ツイートでレッスン(29) 左親指と人差し指の間の筋肉は、例えて言えば「鶏のササミ」くらいしかない。こんな小さな筋肉を使って演奏したら疲れるのは当たり前。ここにたえず空間を作ることによって、はじめて自在な運動が可能になる。親指と人差し指をくっつけるのは厳禁!
TL(30) 右の様に押さえていないだろうか?人差し指の付け根第3関節を曲げて押さえると無駄な筋肉の緊張(黄)が生まれ、押さえるエネルギー(青)は関節が逆に向かう力(赤)で相殺される。さらに親指に力が入る悪循環。全く間違った奏法!
2016年1月1日
TL(31)各指が全て同じ方向に生えている人はいないはず。従って4本が弦と作る角度(青)はバラバラで当然。その指をまとめ統括し、安定した動きを作り出すのは、実は「肘」と「手首」 内側の角度(黄)を一定に保ち、肘が左右に揺れてはいけない
TL(31)各指が全て同じ方向に生えている人はいないはず。従って4本が弦と作る角度(青)はバラバラで当然。その指をまとめ統括し、安定した動きを作り出すのは、実は「肘」と「手首」 内側の角度(黄)を一定に保ち、肘が左右に揺れてはいけない
1月2日
ツイートでレッスン(32) 左のロー・ポジションが遠く感じられる人は基本練習にカポタストを使用すると良い。 例えば、ミ/ラ/レ/ソ/シ/ミの基本調弦をド#/ファ#/シ/ミ/ソ#/ド#に下げて3フレットにつければ元の音程。音色は悪くなるが、張力が下がるので初心者や女性にお勧め。
1月2日
ツイートでレッスン(32) 左のロー・ポジションが遠く感じられる人は基本練習にカポタストを使用すると良い。 例えば、ミ/ラ/レ/ソ/シ/ミの基本調弦をド#/ファ#/シ/ミ/ソ#/ド#に下げて3フレットにつければ元の音程。音色は悪くなるが、張力が下がるので初心者や女性にお勧め。
1月2日
ツイートでレッスン(33) だいたい、ギターの教則本は何故ローポジションから始まるのだろうか?弾きやすいハイポジから始めてみては?
9フレットのド#を人差し指で押さえ(肘を脇腹にぴったりつけ)ここから1つずつ下降してみよう。この時に肘が少しずつ開いていく感覚を覚えて欲しい。
1月3日
TL(34)昨日の続き。今度は同じく①弦9フレットC#に1234をセット。今度はEを押さえている小指に注目し、1フレットずつ降りていこう。すべての指がフレットと作っている角度を一定に保つ為には肘が一緒についていかねばならない。作業する掌全体をロボットアームが運んで行くイメージ。
TL(35)左手の基本運動について要約する。肘が硬くなって動かなくなると、掌は車のワイパーの様な動きになる(赤)指と弦の接点アングルが変わるからだ。これを一定に保つには、肘が柔軟に(青)線に沿って平行に動かねばならない。
1月4日
TL(36) しかし全ての音がこの方法で出せるわけではない。あくまで基本のキ。技術も含め音楽は例外だらけ、だから面白い。場合によっては(赤)の運動が有効に活用されるが、それはもう少し先。 肘の重要性に触れ、これ以上進むと混乱するので、左右の基礎をいったん終え、明日から別項に…
ツイートでレッスン(37) 上手くなりたいと思ったら、誰かに聴いてもらう事。人前で弾くことを怖れていては何も始まらない。感想を聞くことで何かが開ける。聴いてくれる相手がいない時は犬猫でも良いから、誰かの為に弾く。自分の為にではなく…
1月6日
1月6日
TL(38) 誰かの演奏を聴いて「上手いなあ」と思うのは良い。 でも、感心してるだけはダメ。自分は何故そう思ったのか、どこに感動したのか、自分が何に反応したのかを分析すること。それによって嗜好や方向性が生まれる。 もし音の料理人になりたければ相手の料理を味わったら、そこで負け。
TL(39) 昨日、音の料理人と書いたが実際、料理人と演奏家は恐ろしくプロセスが似ている。 音感教育は味覚音痴にならぬ為に必要だし、ややこしいアルペジオや音階練習も、芋の皮剥きや玉ねぎのみじん切りと同じ基礎技術。でも皆さん、最初から煮たり焼いたり…
もっと見習い修業が大事!
1月8日
TL(40) 毎日、ごく薄い紙を一枚ずつ重ねていく様な微々たる変化。でも振り返って気付けば、いつの間にか大きな一冊の本になっている。演奏もそういう風に経験、反復努力を重ねてゆっくり成長するのが自然。「突然上手くなる」なんて、まずありえない! メンタル話を終え、明日から別項です
TL(41)爪の話。人それぞれに形が違うので、絶対的な形はない。また人それぞれ1本ずつの形も違うはず。弦という直線を爪先の曲線が横切るのだから計算が必要。 まず、何か鉛筆でも用意して、指先がどういう角度で弦と接しているか見てみよう。
TL(42)次に真横から観察。弦を通り抜ける運動方向(青)を妨害しない角度(赤)を見つけよう。真横から見て少しでも鷲爪になっている場合、TL(10)で説明した様なコントロールは難しい。弾きやすい角度は垂直線から45度までの間にある。
TL(42/補足)45度はあくまで目安。何故45度と書いたかというと、それ以上だと弦に対する抵抗がなくなって音に力がなくなってしまうから
TL(43)教則本に書いてある様に爪の右側を短くし左側を長くしても(左)、端に弦が食い込む(赤)人が多い。教則本の形は真っ直ぐで歪みのない爪の人には有効だが、1本ずつ形が違う人には効果がない。真っ直ぐに弦が抜ける爪先(青)を作ろう。
1月10日
1月10日
TL(44)私の薬指を見てほしい。自慢ではないがプロになるには重症な形。学生時代の突き指のせいで先端はかなり湾曲して内側に入っている。これを解決したのは、一般論とは真逆の削り方。真横から見て完全な直線(青)を得ることで悩みが消えた。
TL(45)指先の中心線(緑)に目線を据え、手前45度くらいの傾斜で細かい金属ヤスリ(資生堂のが良い)を「真っ直ぐ真横に」して削る。爪先を丸くしようと(赤)しない。出来上がった先端はナイフの様に薄くなっているので、ペーパーで整える。
TL(45/補足)資生堂のネールファイルNA501は、昔キム・ヨンテさんから教わった。安くて便利で海外のギタリストへのお土産にも使っている。細かい紙ヤスリはタミヤのフィギュア用のフィニッシング・ペーパー1000〜2000番を使う。爪側面だけでなく裏面も磨くべし。
TL(46) 爪の整え方をやったところで結局(1)に戻る。爪をここまで工夫しても良い音が出ないと悩んでいるギタリストよ、音の良し悪しの90%はタッチで決まるのだよ。一番大事なのは、弦に触ってから、こんな音が出したいなと思ってから、弾くこと。
というわけで、明日から別項。
福田 進一さんが河野智美をリツイートしました
TL(47)結局はね、「良い音」を沢山聴いて耳を鍛えるしかないのかもね。爪を工夫して、タッチを磨いても、出した音が良いか悪いかわからなければ意味がないんだから…
福田 進一さんが追加
@tomomikohno
本当にその通りで、正しいタッチができているかどうかは音で大体分かる。出したい音のイメージを持つためには良い音を知っているということが大事。また特別弱いとか特殊奏法などの場合は除き普通のタッチで爪が減るということはないと思っていて良い https://twitter.com/fukushinsanchan/status/686775334100836352 …
1月14日
ツイートでレッスン(48) 演奏家になる為にまず必要なのは「集中力」と「記憶力」最初に、この2つが無いと何も出来ない。でも、その先の前に進む力、さらに発展していくエネルギーを生み出すのは「好奇心」! フランスの女流作曲家で優れた教育者だったナディア・ブーランジェの言葉。
TL(49) ブーランジェは、「集中力」「記憶力」があれば一応なんとかなるだろう。だが先を行くには「好奇心」が不可欠で、さらにその先を行って芸術家になるには「想像力/imagination
」もうひとつの「創造力/création
」が必要と言っている。限りなく深い音楽の世界。
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