2013年6月1日土曜日

「もっと人前でギターを弾こう」/現代ギター2013年6月号

先日発行された月刊誌「現代ギター」2013年6月号に特集記事『もっと人前でギターを弾こう!』が掲載されています。
この記事の筆者はギタリストの永島志基氏です(挿絵も)。

もっと人前でギターを弾こう<挿絵> 現代ギター2013年6月号 by Poran111

既に読まれている方もいらっしゃると思いますが、とても興味深い記事ですので、ポイントを紹介させていただきます。

この特集記事の中で、永島氏は人前でギターを弾くことのメリットは一般的には次の三つだと述べています。
「①目標が具体的になり、期限を定めた練習ができ、曲を仕上げる気持ちが強くなる。
②当日起こり得る演奏上での様々なアクシデントにより次回の演奏への傾向と対策が学べる。
③演奏がらみのモチベーションが上がる(人とのつながり、様々な人との演奏交流、お楽しみの打ち上げ、衣装など)。

もっと人前でギターを弾こう 1/現代ギター2013年6月号 by Poran111
もっと人前でギターを弾こう/1頁目:現代ギター2013年6月号

この三つについて私は同感です。
まず①についてですが、私(Poran)が事務局として運営する「クラシックギター弾き回し練習会」は2ヶ月に一度のペースで人前練習会を開催しています。2ヶ月の間隔がありますので、次の会ではどの曲を弾こうか考えて練習することは私にとってはちょうど良い目標、メリハリ、刺激になっています。

次に②ですが、人前で弾くと家で練習している通りの力は普通は出ません。そして、できた所、できなかった所が明確になります。人前演奏でできなかった所を改善すべく、次の練習に向かうことができます。また、人前で弾くと緊張したり、あがったりして、思わぬ事態、状況に陥ることがしばしばあります。人前で弾くのに慣れてくるという事は、失敗の積み重ねであって、失敗経験がいろいろ蓄積されてくると、ちょっとくらいのミスや失敗があっても「想定内」という事で、あまり動揺しなくなるのだろうと思われます。

最後に③ですが、プロギタリストのコンサートを聴くのは楽しく、勉強になりますが、アマチュアの演奏からは、技術レベルに関係なく、その人の個性や持ち味など、その人の持っているものがなんとなく伝わってきます。ですからアマチュアの演奏を聴くのは、その人の習熟度合いと関係なく、私にとって楽しいものがあります。また、「クラシックギター弾き回し練習会」では練習会後に必ず情報交換会(打ち上げ会)を設けています。そこでいろんな方々と交流し、意見交換するのももう一つの大きな楽しみです。

筆者、永島志基氏は記事の最後を次のように締めくくっています。
蛇足ですが、自分が弾いた発表会と、聴いただけの発表会の打ち上げの一杯目のビールの味は絶対に違うと思いませんか?
私はこの意見に100%同感です。

ついでながら、「もう少しうまくなったら人前で弾こう」と考える場合があるかもしれません。しかし、こう考えていると、いつまで経っても人前で弾くチャンスは訪れないかもしれません。人前で弾くのは上級者だけでなく、例えばギターを練習し始めて半年の人にとっても重要で、意味があると思います。もっとうまくなるために、もうちょっと改善するために人前でギターを弾いてみる、という事で十分だと私は考えています。
(なお、以上は私(Poran)の個人的考えですが、皆様のご意見、感想などをお寄せいただければうれしいです。)

もっと人前でギターを弾こう 2/現代ギター2013年6月号 by Poran111
<写真をクリックすると大きい画像で見ることができます。3頁目以降については月刊「現代ギター」2013年6月号をご覧ください。>

6 件のコメント:

  1. 私も100%同感です。

    特にアマチアのさまざまな到達度合の演奏が好きですし、参考になります。私の場合は奏者のギター歴が短いか長いかはあまり気になりません。
    アウフタクトのたった1個の四分音符を弾くために強烈なエネルギーを放射しながら、やっと弾弦できた初心者の方の演奏は今でも忘れることはできませんし、お仕事がお忙しい中、練習不足のはずなのに難曲を鮮やかに演奏する奏者にも感動します。

    私の学校の先輩であるプロギタリストさんも、教室では同じ曲を何度も人前演奏することを大切にしておられ、生徒さんは納得がいくまで同じ曲を発表会にだされています。100回の自宅練習よりも1回の人前演奏ということだと理解しています。もちろんこれだけがやり方ではないにせよ、個人的には説得力を感じます。

    私の場合は自宅練習の進捗度よりも人前演奏の機会を優先していますので、本番で曲前半はまあまあでも 後半はひどい結果ということがよくあります。聴いていただいている方々には申し訳ないですが、それでも個人的には次の発表会での出来具合がよくなっていることを実感することが多いです。現時点での到達度合を発表したり、逆に聴かせていただいたりすること、その瞬間、瞬間が大切な時間だと思います。

    緊張感も真剣さも必要ですし大事にしていますが、色々な出会いの中で気楽に人前演奏をすることがなによりの上達のコツのような気がします。

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    1. HSPTさん、有益なご意見をありがとうございます。
      人の前で弾いてみて、初めて気が付くことは山ほどありますね。自分の部屋にこもって練習しているだけではなく、外に出て、人と交流し、刺激しあうことは自分のギターのためには大いにプラスになるし、新しい世界が広がって、楽しいと私も思いますね。

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  2. 人前で弾くことは非常に強力な練習になりますよね。
    ただ、やっぱりなかなかその機会が無いというのがアマチュアの悩み。
    それを解消するために「弾き回し会」や「プチ発表会」のような人前演奏会が最近あちらこちらで開催されるようになってきました。
    HSPTさんがおっしゃっているように、100回の自宅練習より1回の人前演奏です。
    「もう少し弾けるようになったら・・・」じゃなく
    「もう少し弾けるようになるため・・・」に
    人前演奏をたくさんこなすのがよいと思います。

    で、やっぱり、発表会のあとの懇親会が一番の楽しみです。
    同好の士と飲みながらするおしゃべりは最高です。
    もっともっと、人前発表会の機会が増えるといいですね。

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    1. 仙人さん、コメントをありがとうございます。mixiの「クラシックギタープチ発表会」の浸透などもあり、首都圏では人前演奏会の場がかなり増えているように思われます。しかし、大都市圏以外ではアマチュアが人前で弾く機会はまだまだ少ないのが現実だと思います。ここ長野県は大きい県なので、この「弾き回し練習会」のようなアマチュアの弾く機会がいずれもう一つ位できたら良いなと私は個人的には考えています。そして、人前練習会あるいは人前演奏会が全国各地に広がって、地域間の交流も増えてきたら、また新しい段階の楽しみ方になってくるのではないかと思いますね。

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  3. 上のPoranさんのコメントを受けて、多くのアマチュアギタリストが演奏できる機会を私も提供したいと思います。Poranさんのように頻繁にはできませんが年に一度かニ度か、できればよいなと思います。初・中級者の人たちが大勢参加してくれると嬉しいですね。
    自分としては聴衆を意識した演奏を、それは、「聴けよ!」と言う演奏ではなく、「ギターの音色っていいでしょ」と言う気持ちを届けられる演奏をしたいですね。そのためには、自分の本当に好きな曲(ポピュラーでも、すごく簡単な曲でも)を弾くことも大切かな、と思います。
    さて、今週末にそんな演奏ができるかどうか…。

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    1. yayoyayoさん、コメントありがとうございます。
      アマチュアのためのこのような会は誰かがボランティアでやらなければなりませんので、できる範囲で、無理をせずやる方が長続きするだろうと思います。yayoyayoさん主催の第1回目は私は予定と重なって参加できませんでしたので、第2回目を期待しています。年1回でも2回でもよいので、是非続けてください。

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